Claude Code を複数同時に動かす方法(macOS・2026年版)
Claude Code を本気で使い始めると、だいたい同じ壁に当たります。1セッションでは足りない。リファクタを1つ、テスト作成を1つ、バグ調査を1つ、同時に走らせたい。そして顔を上げると、ターミナルのタブが全部 zsh という名前で並んでいて、どれが何をしているのか分からなくなっています。
複数の Claude Code セッションを並列で動かすことの難しさは、速度ではなく「現在地を見失わないこと」にあります。
まずはタブだけでやってみる(そして痛みを知る)
道具ゼロの版はこうです。iTerm2 なり macOS 標準ターミナルなりでタブを何枚か開き、それぞれ別のプロジェクトディレクトリで claude を起動する。2〜3エージェントまではこれで回ります。
5つあたりで崩れます。タブの見た目が全部同じで、⌘Tab で間違ったタブに入り、リポジトリAに出すつもりのプロンプトをリポジトリBに打ち込む。そして「今この瞬間、全エージェントが何をしているか」を一望する手段がありません。
実際に解いている問題は3つ
- 識別 — どのウィンドウがどのプロジェクトのものか、見た瞬間に分かること。
- 一斉送信 — 同じ指示を複数のエージェントにまとめて出せること(テストを流す、mainを取り込む、この修正を当てる)。
- 復旧 — プロセスが落ちたりマシンが再起動したりしても、艦隊ごと失わないこと。
多数のエージェントを回す仕組みは、この3つ全部に答えを持っている必要があります。tmux は識別(ペインの命名)には答えますが、「一部のペインにだけ一斉送信」と「中身の会話まで含めたクラッシュ復旧」には答えません。
tmux でどこまで行けるか
tmux の強みは、艦隊がシェルスクリプトになることです。
#!/bin/bash
tmux new-session -d -s fleet -n api
tmux send-keys -t fleet:api 'cd ~/work/api && claude' Enter
for w in web infra docs; do
tmux new-window -t fleet -n $w
tmux send-keys -t fleet:$w "cd ~/work/$w && claude" Enter
done
tmux attach -t fleet
これを dotfiles に入れておけば、どのマシンでも同じ布陣が数秒で再現します。この移植性に勝てるGUIはありません。
弱点は状態の可視性です。ステータスバーに出るのは 0:api 1:web 2:infra という名前だけで、「どれが承認待ちか」「どれが終わったか」は分かりません。確かめるには各ウィンドウを訪問する必要があり、8つ回る頃には考えていたことを忘れています。
タイル型で並べるやり方
私たちが採っているのは、1セッション=1タイルとして1画面に並べ、各タイルにプロジェクト名・色・状態表示を付ける方法です。5回の⌘Tabが1回の視線に変わります。
その上に2つ足します。
- ⌘クリックでパネルをグループ化し、1回打てばグループ全体に送る。10リポジトリに同じマイグレーションを流す作業が、10アクションから1アクションになります。
- 落ちても戻る復旧。アプリやマシンが落ちても、起動し直せば各パネルが自分のフォルダで自分のセッションを再開する。艦隊版の
claude --resumeです。
これは Agent Tile で実装しているものですが、原則自体はどの道具を使っても同じです。識別 → 一斉送信 → 復旧の順に最適化してください。
道具によらず効く実践
- 1エージェント1ディレクトリ。 各セッションを1リポジトリ(または1 worktree)に閉じ込めると、文脈が混ざりません。
- 起動前に名前を付ける。 識別できないウィンドウは、いずれ誤射するプロンプトです。
- 律速はレビューに移る。 5エージェントが差分を吐き出すようになると、あなたの仕事は「書くこと」から「速く読んで、違う、戻れ、と言うこと」に変わります。その時間を確保してください。
- 並列しすぎない。 本当に監督できる3エージェントは、監督できない8エージェントに勝ちます。
AIコーディングエージェントの艦隊運用は、道具の問題というより管理の問題です。道具が決めるのは、「エージェントが何をしているかの明確な把握」までに何回の摩擦を挟むか、それだけです。
Agent TilemacOSで複数のClaude Codeセッションを並行運用するための公式ブログ。更新情報・運用の実践・並列エージェントの回し方を日本語で。
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