ディフェンシブとシクリカル:今どちらの局面かを見分ける方法
細かいセクター分析に入る前に、答える価値のある問いが1つあります。市場は今、成長にお金を払っているのか、それとも安全にお金を払っているのか。ディフェンシブ/シクリカルの二分法は、手元にあるデータだけでその問いに答えます。教育目的であり、投資助言ではありません。
2つのバケツ
シクリカル(景気敏感) — 業績が景気に連動する。資本財、素材、エネルギー、一般消費財、金融、そしてテクノロジーのハードウェア寄りの部分。
ディフェンシブ — 需要が景気に鈍感。生活必需品、ヘルスケア、公益、そしてある程度は通信。
日本では同じ論理が次のように対応します。
- シクリカル:機械、鉄鋼・非鉄、素材・化学、自動車・輸送機、電機・精密、建設・資材、銀行。
- ディフェンシブ:食品、医薬品、電力・ガス、そして部分的に小売。
注意すべきは、日本のディフェンシブ側は指数ウェイトが小さいという点です。日本でディフェンシブ・ローテーションが起きると、指数はほとんど動かないまま小型の数業種だけが上位に来ます。指数の数字だけを見ていると見落とします。
ローテーションの読み方
シクリカル群の平均騰落率から、ディフェンシブ群の平均騰落率を引く。市場ごとに週1つの数字です。
日本側の計算には、セクターの騰落率から同じ期間の各業種の数値を使います。
- 数週間にわたり一貫してプラス:シクリカル主導。市場は成長を織り込んでいる、または期待している。
- 数週間にわたり一貫してマイナス:ディフェンシブ主導。リスクを落としているか、景気減速を見込んでいるか、金利低下下で利回りを買っている。
- 週ごとに振れる:局面ではありません。ストーリーを作らないこと。
効いているのは「一貫して」という言葉です。単週のディフェンシブ優位はノイズ。3〜4週続けば局面です。
この枠組みが誤読を生む場所
金融は安定してシクリカルではありません。 銀行は金利カーブに反応し、金利は減速局面でも上がるし好況でも下がります。シクリカルに無理やり入れるより、第3のバケツとして分けて走らせる方が実用的です。
公益は債券の代理変数として動きます。 公益が上位に来たとき、それがディフェンシブ・ローテーションなのか単に長期金利が下がっただけなのかを問うてください。リスク選好について結論を出す前に10年金利を見ること。
ヘルスケア・医薬品は固有リスクを抱えます。 治験結果、特許切れ、薬価政策が、景気サイクルと無関係に数か月セクターを支配することがあります。
日米2市場版
米国と日本のそれぞれでシクリカル−ディフェンシブのスプレッドを出し、比べます。
- 両方プラス:本物の世界的な成長トレード。
- 両方マイナス:本物の世界的なリスク回避。
- 割れている:ドライバーはローカル。マクロの物語に手を伸ばす前に、為替・国内政策・単一市場のイベントを見る。
情報量が多いのは「割れている」ケースで、しかもこれは頻繁に起こります。日米で金利サイクルが異なり、日本のシクリカル側は米国よりはるかに指数ウェイトが大きいためです。
まとめ
2つのバケツ、1回の引き算、2つの市場。週次で走らせ、複数週のトレンドにのみ反応し、金利サイクルが読みを汚さないよう金融は分けておく。
Sector Pulse日本(TOPIX-17業種)と米国(SPDRセクター)の週次騰落率をまとめます。どこが買われ、どこが売られ、日米でどう食い違ったか。データの記録であり、投資助言ではありません。
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