セクターの「広がり」で相場を読む — 指数が上がっても中身が伴わない週
指数の騰落率は1つの数字であり、その裏にある分布を隠しています。ブレッドス(広がり)はその分布そのものです。週に1分で確認でき、他のすべての読み方が変わります。教育目的であり、投資助言ではありません。
最もシンプルな広がりの測り方
その週にプラスで終えたセクターがいくつあるかを数える。米国なら11のうちいくつ、日本なら17のうちいくつ。分数として記録します。
- 11中8以上がプラス:全面高。大半のものが機能した週。
- 11中4〜7:まちまち。これが通常の状態で、たいてい解釈する必要はありません。
- 11中3以下でしかも指数はプラス:狭い上昇。少数の何かが指数を担いでいます。
「狭い上昇」が意味すること
上昇が狭いということは、指数のリターンが少数の大型ウェイト業種から来ているということです。これ自体は悪いことではありません。本物の主導は狭く始まります。ただし同時に2つのことが真になります。
- 指数のリターンは、分散したポジションの実際の成績を過大に示している。
- 主導している1〜2業種が反転すれば数字ごと消えるため、見た目より脆い。
逆のケースも有用です。大半の業種がプラスなのに指数がマイナスなら、大型ウェイトの数業種が大きく下げたということ。これは「全般的な弱さ」ではなく、調査可能な具体的イベントです。
2つめの指標:スプレッド
最上位業種の週間騰落率から最下位業種の騰落率を引きます。この幅は、市場が1つのマクロ要因で動いているのか、業種ごとの個別事情で動いているのかを教えてくれます。
日本側の計算に使う最大値と最小値は、セクターの騰落率の週間の数値から確認できます。
- スプレッドが狭い(数%):全部が一緒に動いた。ドライバーはマクロ——金利、為替、世界的なリスクイベント。その週はセクター選択がほとんど効いていません。
- スプレッドが広い(2桁):業種が個別材料で値付けされている。選択が効いた週です。
スプレッドの推移を追うと、今が銘柄選択の局面かベータの局面かが分かります。単週の首位業種を追うより実用的です。
日米それぞれで走らせる
米国と日本で別々にブレッドスを計算し、2つの分数を比べます。米国の広がりが強く日本が弱い週は、通常は為替か国内の政策イベントが原因で、世界的な要因ではありません。両方とも狭く、しかも同じテーマが主導しているなら、それは本物の世界的ローテーションです。
週次ルーティン
- 各市場でプラス業種を数える(分数2つ)。
- 各市場で最上位−最下位のスプレッドを出す(数字2つ)。
- 主導しているテーマが日米で同じかどうかをメモする。
数字4つ、所要1分。週の「大きさ」ではなく「形」が分かります。
まとめ
指数の騰落率は動きの大きさを教えます。ブレッドスとスプレッドは、それが1つの出来事だったのか多くの出来事だったのかを教えます。動きが続くかどうかを左右するのは、後者の方です。
Sector Pulse日本(TOPIX-17業種)と米国(SPDRセクター)の週次騰落率をまとめます。どこが買われ、どこが売られ、日米でどう食い違ったか。データの記録であり、投資助言ではありません。
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