毎週続けられるセクターウォッチリストの作り方(行を固定し、トリガーを先に書く)
ウォッチリストは大きさで死にます。30行あれば流し読みになり、流し読みでは何も学習されず、1か月後には開かなくなる。生き残るリストは、小さく、固定されていて、すべての行に理由が書いてあります。教育目的であり、投資助言ではありません。
原則1:行を固定する
動いたからという理由でセクターを追加しないこと。行を固定する意味は、毎週同じ行を見ることで「その業種にとっての普通」の感覚が蓄積されるところにあります。行が入れ替わるリストは、その蓄積を毎回リセットします。
実用的な初期値は8行、日米4つずつ。
- 米国:テクノロジー、金融、エネルギー、ヘルスケア。
- 日本:電機・精密、銀行、自動車・輸送機、食品。
各市場について、成長の代理変数・金利の代理変数・商品市況の代理変数・ディフェンシブの代理変数が1つずつ揃います。週を位置づけるにはこれで十分で、行数に溺れずに済みます。
原則2:列を固定する
列は4つ、それ以上増やさない。
- 今週の騰落率。
- 直近4週の騰落率。 ノイズへの反応を止めるのはこの列です。
- その市場内での今週の順位(11位中、または17位中)。
- 先週の自分のメモ。 予想したことが起きたかどうかを確認するため。
4列目こそ皆が省略し、そして学習を生む唯一の列です。これが無ければただのデータ表ですが、あれば自分の読みの精度の記録になります。
日本側の「今週の騰落率」欄に記録する数値は、セクターの騰落率で確認できます。
原則3:各行にトリガーを1文書く
各行に、何が起きたら動くのかを事前に1文で書いておきます。価格目標ではなく、条件です。
日本の銀行:10年JGB利回りが上昇している状況で3週連続上位に来たら、それはノイズではなく政策起因の再評価。きちんと読み込む価値がある。
米国エネルギー:原油と数%以内で連動している動きは無視する。セクターと商品が食い違ったときだけ調べる。
事前に書くことが、「眺める」を「プロセス」に変えます。書いていなければ、起きたことを事後に合理化するだけになります。
原則4:時間に上限を置く
週1回、15分、曜日を固定。それ以上かかるならリストが大きすぎます。毎日チェックしたくなっているなら、情報源ではなく不安の源を作ってしまっています。週次のセクターデータは、週次より速く意味のある更新はされません。
原則5:月次で見直すのは騰落率ではなくメモ
月に1度、4週間前の自分のメモと実際に起きたことを突き合わせます。採点しているのは市場ではなく、自分の読みです。いつも早すぎる、いつも首位業種を過大評価する、いつも為替を見落とす——こうした自分の誤りのパターンは、個別の当たり外れよりはるかに価値があります。
自動化していい部分・してはいけない部分
騰落率と順位の収集はツールに任せてください。機械的な作業で、手でやる価値はありません。Sector Pulse(下のリンク)は日米両方を毎日取得していて、無料で使えます。
メモとトリガーは自動化しないこと。この2つがリストを自分のものにしている部分であり、複利で効いてくる唯一の部分です。
まとめ
固定8行、固定4列、各行にトリガー1文、週15分、そして月次で見直すのは市場のリターンではなく自分のメモ。
Sector Pulse日本(TOPIX-17業種)と米国(SPDRセクター)の週次騰落率をまとめます。どこが買われ、どこが売られ、日米でどう食い違ったか。データの記録であり、投資助言ではありません。
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