2次試験まで1か月:過去問の回し方と、やることを削る基準
例年10月下旬の2次筆記試験まで1か月を切ると、多くの受験生が同じ失敗をする。不安に比例して教材を増やすという失敗だ。残り1か月でやるべきことは、増やすことではなく削ることに近い。
直前期の目的は「点を伸ばす」ではなく「落とさない」
学習の初期は、知らないことを知ることで点が伸びる。直前期は違う。この時期に落とす点のほとんどは、知らなかった論点ではなく、
- 設問の制約を読み落とした
- 時間が足りず最後の設問が白紙になった
- 事例Ⅳの計算を1か所間違えて連鎖した
といった実行の失敗だ。だから直前期の練習は、新しい知識のインプットではなく、実行を安定させる方向に寄せる。
週単位の型(残り4週間)
1日単位で計画すると、崩れたときに立て直せない。週単位で「必ず入れるもの」を決め、順番は多少入れ替えてよいことにしておく。
| 週 | 必ず入れるもの |
|---|---|
| 残り4週 | 事例Ⅰ〜Ⅲ 各1本を80分通しで/事例Ⅳ 毎日30分 |
| 残り3週 | 同上+直近年度の再演習(1度解いた年度をもう一度) |
| 残り2週 | 80分通しを週4本/苦手事例を1本増やす |
| 残り1週 | 通しは週2本まで。残りは自分の解答プロセスの確認と事例Ⅳの計算 |
事例Ⅳだけは毎日触る。計算は間隔が空くと落ちるのが最も速く、逆に毎日30分なら維持できる。事例Ⅰ〜Ⅲは間隔が空いても大きくは落ちない。
過去問は「解く」より「解き直す」
直前期に新しい年度を初見で解き続けるのは、コンディションの確認にはなるが、伸びにはつながりにくい。伸びるのは同じ年度を2回目に解いたときだ。
2回目に見るのは、次の3点に絞る。
- どの与件をどの設問に使ったかが、1回目と変わったか。変わったなら、なぜ1回目はそう読めなかったのか。
- 設問の制約(「強みを踏まえて」「~を除き」)を拾えたか。落としたなら、それは読み飛ばしか、解釈のズレか。
- 時間配分が型どおりだったか。崩れたなら、どの工程で何分オーバーしたか。
模範解答と自分の答案の文言を比べるのは、この3点を見た後でいい。文言の差は結果であって、原因ではないからだ。
削る基準:この3つに当てはまるものは捨てる
残り1か月で、以下は思い切って外してよい。
- 新しく買った教材。読み終わらない教材は、不安を消すためのお守りであって学習ではない。
- 未着手の古い年度。直近5年を2周する方が、10年分を1周するより本番に近い。
- finalな知識の網羅。2次で問われる1次知識は、繰り返し出る範囲が決まっている。網羅より、頻出の使い回しを速くする方が点になる。
逆に、削ってはいけないものは「80分通しの演習」と「事例Ⅳ」の2つだけだ。この2つを守れていれば、他が多少崩れても本番は戦える。
再現答案を作っておく
演習した答案は、書きっぱなしにせずその日のうちに再現答案として残す。清書でなくてよい。目的は、後で自分の解答プロセスを検証できる素材を持っておくことにある。
再現答案があると、模範解答との差ではなく「自分の思考の癖」が見える。毎回同じ設問タイプで外しているなら、それは知識ではなく読み方の問題で、直前期でも十分に直せる。
本番1週間前にやること
- 持ち物・会場までの経路・当日の食事を確定させる。判断を減らすほど本番の余力が残る。
- 睡眠を先に固定する。学習時間は睡眠の後に残った枠で組む。逆にしない。
- 新しいことをやらない。1週間前に見つけた弱点は、当日までには埋まらない。埋めようとして型が崩れる方が損失が大きい。
直前期は、能力ではなく運用の勝負になる。決めた型どおりに80分を4回繰り返せる状態を作れば、そこまでに積み上げた知識は自然に点になる。
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