2次試験の解答用紙:書き始める前に決めておく3つ
2次試験は、考えたことを答案に落とす試験である。第2次試験は各80分・各100点で実施される(日本中小企業診断士協会連合会「令和8年度 第2次試験案内概要」https://www.jf-cmca.jp/contents/010_c_/010_c_r08_shiken/R08_2ji_shiken_about.html、2026-10-04 取得)。読む力も大事だが、最後に止まりやすいのは「どの設問から書くか」「この句読点はどう入れるか」「消すべきか残すべきか」という小さな判断だ。実力は直前に大きくは変わらないが、書く前の段取りで失う点は減らせる。
書く順番を先に決める
解答用紙を前にしてから順番を考えると、迷いがそのまま時間を使う。開始前に決めておくのは、難しい設問を避けるためではなく、手を止めないためである。
- 根拠が見えている設問から書く。 与件の段落やキーワードが対応しているものは、骨子が多少粗くても文章にしやすい。
- 迷う設問は印をつけて後回しにする。 途中で粘り続けるより、他の答案を書きながら材料が見えることがある。
- 最後に戻る場所を決める。 余った時間で見直すのではなく、戻る設問をあらかじめ作っておく。
設問ごとの書き方が乱れる人は、ダナドコの型で書く手順のように、誰に、何を、どのように、効果を置く型で骨子を作るとよい。型は答案を縛るものではなく、書き始めの摩擦を減らす道具である。
書き方を自分の中でそろえる
解答用紙の体裁について、公式の試験案内とFAQには記載がない(中小企業庁「令和8年度の中小企業診断士試験について」および日本中小企業診断士協会連合会の第2次試験案内概要・FAQを2026-10-04に確認。いずれにも解答用紙の書式の記述はない)。だから「公式のルール」として覚えるのではなく、自分が普段使っている解答用紙の形に合わせて、迷わない書き方を決めておくのが現実的だ。
- 句読点や英数字の入れ方を、演習のときに決めて本番で変えない。 本番で迷うのは、決めていないからである。
- 書き始める位置と、行をまたぐときの扱いを固定する。 どちらが正しいかではなく、毎回同じにすることで考える手数を減らす。
- 指定された字数に対して、どのくらいまで埋めるかを決めておく。 ただし、字数を満たすために主語や因果が崩れるなら、短い答案のほうがましだ。
字数が足りないときは、まず与件の具体語を増やす。逆に入りきらないときは、修飾語から削る。「大きく」「積極的に」「多様な」などは、根拠や効果に比べると優先度が低い。次に削るのは抽象語である。「強化」「改善」「活性化」だけが残ると答案が薄くなるため、最後まで残すのは設問要求に直結する語だ。
消して書き直す基準
本番で全文を書き直す判断は重い。消す時間、書き直す時間、字が荒れるリスクが同時に発生するからだ。だから、消す基準も先に決めておく。
- 設問の要求とずれているなら消す。 理由を聞かれているのに施策だけを書いた、助言なのに現状説明で終わった、というズレは残しにくい。
- 表現が少し弱いだけなら残す。 よりよい言い回しを探して全部を消すと、他の設問の見直しを失う。
- 該当箇所だけ差し替えられるなら部分修正にする。 主語、根拠、効果のどこが足りないかを見て、そこだけ直す。
書き直しで大事なのは、完璧な文章に近づけることではない。採点者が、設問の要求、与件の根拠、因果の流れを追える状態に戻すことである。
まとめ
解答用紙で迷うことは、事前に決めておけば減らせる。 書く順番を決め、マスの使い方をそろえ、消す基準を持つ。 演習後は、答案を残して書いた答案を貼って採点する(採点にはログインが必要)で確認すると、書く工程の癖が見えやすい。 最後は、うまい文章より、読み取れる答案である。
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