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事例Ⅲのボトルネックは「能力・段取り・情報」のどれかで詰まっている

· 2次試験, 事例Ⅲ, 生産管理

事例Ⅲの与件文には、工場の困りごとが一通り並んでいる。残業が多い、納期に遅れる、仕掛品が多い、特定の工程に人が張り付いている。全部に手を打とうとすると、80分では書き切れない。

先に決めるのは「どこで詰まっているか」である。詰まっている場所が1つ決まれば、設問が聞いている改善策の方向もほぼ決まる。

詰まり方は3種類しかないと考える

与件の記述を、次の3つのどれかに振り分けながら読む。

  • 能力で詰まっている:その工程の処理量が、前後の工程より小さい。「1台しかない」「熟練者が1人」「稼働率が高い」といった書き方で出てくる。
  • 段取りで詰まっている:処理そのものは速いが、切り替えに時間がかかる。「段取り替えに時間を要する」「小ロットの注文が増えた」「同じ製品をまとめて流している」が手がかりになる。
  • 情報で詰まっている:設備も段取りも問題ないのに、次に何を作るかが伝わっていない。「担当者の経験で判断」「口頭で指示」「生産計画を月次でしか立てていない」「進捗が分からない」が典型である。

同じ「納期に遅れる」でも、原因がこの3つのどれかで、打つ手はまったく変わる。能力なら増強か外注、段取りなら平準化か段取り改善、情報なら計画の粒度を細かくするか共有の仕組みを作る、という対応になる。

与件の数字は「比べられる形」にして読む

工程別の能力や時間が与件に書かれていたら、そのまま読まずに同じ単位に直して並べる。日産何個なのか、1個あたり何分なのか、どちらかにそろえると、どこが一番小さいかが一目で分かる。

  • 工程ごとの処理量がそろっていない → 能力の問題として扱う
  • 処理量はそろっているのに待ちが出る → 段取りか情報を疑う
  • 特定の設備や人の名前が繰り返し出てくる → そこが候補である。与件は無駄な繰り返しをしない

数字が与えられていない場合は、与件が「忙しい」「手が空く」と書いている工程の対比を使う。書かれていない数字を自分で置かないこと。

改善策は、詰まりの種類に対応させて書く

設問が改善策を聞いてきたら、自分が特定した詰まりの種類に対応する施策を書く。ここがずれると、内容が妥当でも設問に答えていない答案になる。

  • 能力 → 設備の増強、人の多能工化、外注の活用、作業の標準化で処理量を上げる
  • 段取り → 類似品をまとめる、段取りの外段取り化、ロットサイズの見直し
  • 情報 → 生産計画の見直し(週次・日次へ)、進捗の可視化、受注情報の早期共有

このうち、与件に書かれている制約(人を増やせない、設備投資ができない、など)に反する施策は選べない。制約は与件が必ずどこかに書いている。

論点ごとの考え方は事例Ⅲの工程のボトルネックで確認できる。

書いたあとに自分で確かめること

答案を書き終えたら、次の2つだけ見る。

  • 詰まりの場所を1つに決めて書いているか。 3つ全部に触れた答案は、どれも浅くなる。
  • その場所と、挙げた施策が対応しているか。 情報の問題だと書いたのに設備増強を挙げていないか。

第2次試験の事例Ⅲは14:00〜15:20の80分・100点で実施される(日本中小企業診断士協会連合会「令和8年度 第2次試験案内概要」 https://www.jf-cmca.jp/contents/010_c_/010_c_r08_shiken/R08_2ji_shiken_about.html 2026-10-04取得)。読み方と書き方の手順を決めておけば、この80分を考えることに使える。

書いた答案は貼って採点する(採点にはログインが必要)と、詰まりの特定と施策が対応しているかを確認しやすい。

まとめ

事例Ⅲの与件は困りごとを並べてくるが、詰まり方は能力・段取り・情報の3つに分けて読める。どれか1つに決めてから、その種類に対応する施策を書く。与件の制約に反する施策は選ばない。

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